これは私が二十才の頃に書きつづった川柳・短歌・詩です。
未熟過ぎて見るに耐えない作品かもしれませんが・・・これが私の二十才の原点です。
(*注 高野悦子書「二十才の原点」をそのまま引用させて頂きました)

二十才の春
*雪解けの道を散歩していると 小鳥のさえずりがきこえる
 今年も春がやってきたのだな〜
 二十才の春 何かがおこりそうなそんな気がする
*裏庭のカエルが騒ぎ始めると 田植えの歌が聞こえる
 今年もたくさんの実をつけとくれ
 家にかえれば玄関前の こうもり傘がさみしそう
*一人浜辺で夕涼みをしていると 1通の手紙が舞い込んできた
 今頃 おふくろどうしているのかな〜
 夢の中で頑張れよと叫んでいる おやじの声が聞こえる
*お寺の紅葉が顔を赤らめる頃 1組のカップルが旅立って行った
 新婚旅行か 早く行ってみたいな〜
 相手は誰? どこで何をしているの?
*はるみ君 やっと二十才になったね おめでとう

(昭和47年3月28日二十才の誕生日に書いた作品)(はるみ君は生年月日が同じ友人)

失恋

*今の俺 花火のように 燃え尽きて あとに残るは むなしさばかり
*想い出を 想い出として 思い出す それさえできぬ 今がつらくて
*十九の 春に開いた 花なれど その実も作れず 今は散り絶え
*初恋の 恋の病に 泣いたのは 十九を数えし 初夏のひととき
*あの娘らに 逢いたくないと 意地をはり 心通わず 離ればなれに

霧の夜のドライブ

ステージを飾るライトのように 開けゆく夜道を照らす
ガードレールの白さがやけにまばゆい
時おり 夜霧が風に追われて行く手を閉ざす
一瞬 何んにも見えなくなり又すぐに晴れる
車窓から飛び込んでくる夜風が 冷たく頬を撫でる
ヒャッとした感触に ブルルと身体を震う
霧の夜のドライブ
何んとも言えない満足感に浸る

伸びろ

竹の子木の子 自由に伸びろ 天まで伸びろ
誰よりも大きくなれ 自分をも追い越せ
竹の子木の子 自由に伸びろ 天まで伸びろ
巾広く広がれ 根っこを伸ばせ
竹の子木の子 自由に広がれ 台地に広がれ

さくらんぼ

さくらんぼ それはあの娘の微笑み さくらんぼ それは僕らの願い

楽しい時も かなしみも 嬉しい時も さみしさも
みんな二つに分け合って 青くちっちゃなさくらんぼ その実を増やして下さいね
昨日見かけた あの人に 今日ほほえんだ あの人に
いつも悲しいあの人に 青くちっちゃなさくらんぼ その実を分けて下さいね

共に語ろう青春を 共に唄おう あの歌を
ほら聞こえて来るでしょう友の声 ほら聞こえてくるでしょう青春が

楽しい時も かなしみも 嬉しい時も さみしさも
みんな二つに分け合って 真っ赤な真っ赤なさくらんぼ いつもとなりで笑ってる

さくらんぼ それはあの娘の微笑み さくらんぼ それは僕らの願い
さくらんぼ それはあの娘の広場 さくらんぼ それは僕らの名前
(二十才のつどいに集まった若者達で作った新グループ「サクランボ」をイメージして作りました)

恋愛

まるで 素肌を焦がす 真夏の太陽のように 激しい恋をして
はるか 水平線を彩る 秋の夕焼けのように こころを燃やし
そして 真っ白に輝く 真冬の雪のように 清純な愛を夢見て
やがて 訪れるだろう 春を待つ

川柳

*乳首の痛さ 赤ちゃんの歯が 白い
*恋文を書いて 映画の切符入れ
*弁当を広げ 親父のジョーク飛ぶ
*夏祭り 手取る我が娘に 導かれ
*ねむる子へ 三日先の 夢を追う
*古ぼけた人形 家族を 紹介する
*恋人?と問われて 敵さん 友と言い
*恋をして初めて 友を敵と知り
*夕陽背に 敵は何処だと ガキ大将
*手を添えりゃ 足は千鳥の 盆踊り
*恋の散り 夏の終わりの 波の激しさ
*道端の やつれた枯れ木 母想う
*日だまりに 1輪咲いて あたたかい
*荒削りな川柳(うた)に 未知の若さあり

もうすぐやって来るだろう春

もうすぐやって来るだろう春
れんげにタンポポ さくらに菜の花 心がはずむ 今の私です
もうすぐやって来るだろう春
あたたかい日射しで ひなたぼっこ 夢見心地の 今の私です
もうすぐやって来るだろう春
真っ白な雪道 みんなさようなら ちょっぴり悲しい 今の私です
もうすぐやって来るだろう春
雪解け水が 小川を作り やがて私も 流されるでしょう
やがて私も 流されるでしょう

いつか会いましょう

あなたが未だ 私のことを覚えているなら いつか会いましょう
大きな噴水のある公園で バラの花束抱いている女がいたら それは私です
ちょっぴり恥ずかしいけど 一人で待っています
あなたが未だ 私のことを覚えているなら いつか会いましょう
大きな赤い屋根の教会で 白いネッカチーフの女がいたら それは私です
ちょっぴり恥ずかしいけど 一人で待っています

あなたが白いセーターならば 二人で神にお祈りしましょう
あなたがブルーのセーターならば 青い空を眺めていましょう

あなたが未だ 私のことを覚えているなら いつか会いましょう
広い広い野原の真ん中で 花に抱かれて夢見ている私がいたら そっとしといて下さい
ちょっぴり恥ずかしいけど あなたに抱かれる夢なのです

ある雨の日の情景

降り続く雨 恥ずかしそうな てるてるぼうず
喜びいさむ裏山のカエル ある雨の日の情景
溺れまいと必死でおよぐ ありんこ
ぼんやりと瞑想にふける私 それも雨の日の情景
一つの傘で 重なるように歩く 恋人達
横目で見ながら通り過ぎる人々 それも雨の日の情景

淋しそうな子犬が1匹 ちっちゃな女の子がそっと傘をさしのべた
・・・しかし・・・
急かす母親に 子犬は又 ひとりぼっち

今は遠いあの日の想い出

ちっちゃな頃 いつもガキ大将の一の子分にしかなれなかった俺
赤い弁当箱が好きで それでなければ幼稚園に行かないと言ってた俺
学校がキライで 毎朝行きたくないとダダをこねてた俺
そんな時は決まって真っ暗な倉庫に閉じこめられたり 庭の物干しの柱に縛られた
泣こうが叫ぼうが 親父は許してくれない
大概は隣のおじさんが縄を解いてくれたが 時には一日中縛られていた事もある
ある日 市役所の人が数人やってきて
「学校に行かない子供を貰いに来た」と言われ
「学校に行くよ〜」と泣いて謝った事も覚えている
喧嘩が弱くって いつも虐められてばっかりだったけど
校内の相撲大会では いつも5人抜いて賞品を貰っていた俺
でも貰った賞品も盗られてたな〜
小学3年生の時 女の子にバカにされて頭にきちゃって
夢中でその子に抱きついて 投げ飛ばしてしまった
でもあの時は 後で先生に絞られたな〜 「弱いものいじめは いけません」って
いつも弱くて虐められていたのは 僕の方なのに!
そう あの時、喧嘩はビリから2番目だったな〜
6年生の時 下級生からバカにされ 負けると解っていながら突っかかっていった俺
卒業式の日 下級生にお別れの挨拶をするとき
何故か涙が出てきちゃって 涙声になっていた俺

今こうして思い起こせば いつも泣かされてばっかりだったみたい
だからかな〜
今でも こんなに 涙もろいのは・・・・・・
(子供の頃を回想して・・・全て実話です)


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